2015/10/03

代替医療解剖


サイモン・シン
エツァート・エルンスト 著
青木薫 訳
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針治療やカイロプラクティックなどの代替医療が
本当に効果があるのかを科学的に検証していく内容で
普通であれば特に興味のある事柄でもないので
著者がサイモン・シンじゃなければ決して手に取ることは無かった本です。

サイモン・シンの良さは綿密な取材に基づいて
感動的な人間ドラマを描き出すのが上手いところなんですが
今回はただただ代替医療の概要と研究結果と結論をひたすら羅列しているだけ。
過去の著作にあった胸熱の感動とは程遠い内容だったので
全て読み終えるのに多少苦労しました。。


偽薬を本物の薬だと信じ込む(信じ込ませる)ことによって
何らかの改善があることを「プラセボ効果」というのは有名ですが
(音楽好きにとってはプラセボよりプラシーボと言ったほうがしっくりくるかも)
代替医療の効果も結局はほとんどが患者側が効果があると思い込んだ結果で
科学的には一部を除いて何の効果も無いというのが本書の結論です。

「なんだ、やっぱり代替医療は効果薄か」という結果よりも
「これは効果がある」と思い込むことで本当に効果が出てしまう
人間の能力の高さの方が興味深かったです。。


この綿密な取材量には相変わらず驚かされますが
先にも述べたように過去の著作にあった感動が薄かったのも事実で。
むしろ本文よりも訳者・青木薫氏の文庫版あとがきがドラマチックでした。


サイモン・シンの次作に期待せざるを得なくなる一冊。。